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5. 大学設置基準改正の成果
このように、今回の大学設置基準の改正では、大幅な改正が行われたが、それでは次に大学設置基準の改正によってどのような変化が生じたかを見てみよう。
(1)大学設置基準改正によるカリキュラム編成の弾力化
改正前は表9のように一般教育、外国語、保健体育および専門教育に分かれていた。そのため、4年間一貫したカリキュラムを組むことができなかった。今回の改正では、これらの区分が廃止され、各大学が個性を発揮し。自由な発想と工夫のもとにカリキュラム編成ができるようになった。また、全学部の協力による教養教育の充実が可能となうた。カリキュラム改革を実施した大学数は1995年度には428校に上った。
実社会のニ一ズに応える実践教育を強化する大学も増えた。情報処理教育の充実、ボランティア活動を取り入れた授業科目の充実、外国語教育の改善などが行われた。
表9 カリキュラム編成の弾力化

(2)授業の質を高めるための工夫
大学教育の質の向上を図るために、教育内容に関する改革とあわせて授業方法の改善が行われている。最近では、シラバスを作成・配布する大学が増えてきた。1995年度には、281の大学でシラバスを作成・配布した。
少人数による教育を実施する大学も増えた。とくに、外国語教育、実験・実習、演習などでそれが顕著である。同様に、対話・討論に力点をおいた演習を行う大学も増えている。
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